都会の人から見えにくい「中途半端な地方都市」の存在~俵万智さんのコラム感想~

みなさん、こんにちは。

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先日,日本経済新聞俵万智さんの地方暮らしについてのコラムが掲載されていました。

地方暮らしと対比される東京暮らしの魅力は「ゴージャス」でつまみ食いできること。その一方で地方暮らしの魅力は住んでみないと味わうができないと書いてらっしゃいました。

俵さんは現在宮崎県の島にお住まい。

地域の方との味噌造りなど地方暮らしの良さを感じていらっしゃるとのことです。

 

また,都会の方が心配に思う田舎暮らしの人間関係のわずらわしさについても,セーフティネットとして働き,子供を地域で見守ってくれるメリットともとれるとのこと。

 

俵さんのプロフィールを拝見すると,生まれは東京とのこと。

ご自身もコラムの中で触れていらっしゃいますが,執筆の仕事なので,場所は選ばず,田舎に暮らすことができているとのこと。

 

[感想]

俵さんのように教養ある都会出身の方に選ばれる田舎暮らしとは,自然と共同体の残る,いわば古きよき日本のような暮らしができる地域なのだなと思いました。

「都会にあるものはないけれど,その代わり田舎にしかないものがある田舎」とも言えるかもしれません。

 

万一地方創生の移住政策で都会から人を呼び込んで成功する可能性のあるケースがあるとすれば,こういった魅力を発信できる地域に,不便でも田舎暮らしをしたい都会の人が暮らす場合だけでしょう。

 

一方で,何の特徴も無い地方都市は都会の方の目には映りません。

似たり寄ったりのロードサイド店が国道沿いに並ぶ。

特に豊かな自然はない。

地域の人のつながりが大してあるわけでもない。

いわば,「都会にあるものがない」だけの,不便なだけの田舎です。

 

takeaway.hatenablog.jp

 

なんと名付けてよいのか,人口数千~数万人の,このタイプの田舎は,俵さんのコラムでイメージされるところの「田舎暮らし」ができる田舎ではないでしょう。

都会の方が想像する理想の田舎暮らしのイメージからは全く外れてしまっています。

 

どうも,地方創生の移住政策で「地方」が語られるとき,イメージされるのはある程度の都市機能をもつ政令市や,はたまた今回のコラムの様な本当のど田舎であり,中途半端な地方都市は議論の対象にもなっていないようです。

 

こういった中途半端な地方都市の実態が,都会の人から見えなくなっている,またはイメージできなくなっていることが,大きな盲点になっているような不安を覚えます。

 

それでは、スーパー公務員によろしく!