道の駅デジャヴ?一見クールだけど地方創生のお荷物になりそうなインバウンド施設

みなさん、こんにちは。

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【一見スタイリッシュなインバウンド施設の罠】
コロナでいったんストップしていますが,ついこの前まで日本中インバウンドブームでした。
地方創生の交付金などを使って,数々のインバウンド向け施設が作られています。
一見スタイリッシュなインバウンド施設ですが,需要が不確かなまま,まずハコをつくってしまっている点で,結局はこれも形を変えたハコモノになってしまいます。

 

【一見「満点」なインバウンド宿泊施設に感じた違和感 いい施設を建てればインバウンド客が来るのか】
先日,地方の企業訪問にいってきました。
もともと製造業をやってた会社ですが,インバウンド需要を見据え,非常に立派で格好のいいカフェ,宿泊施設,体験施設などを立てたとのことです。
建物は非常にオシャレで,いわゆる「外国人受けするデザイン」でした。
カフェ併設,サイクリング宿泊可能,長期滞在可能など,昨今のインバウンド関連雑誌などで見るポイントをそつなく取り込んだ施設です。

この施設がある地域はアクセスの悪い郡部にあり,現段階でインバウンド客の流入はまったくありません。
インバウンド客を呼び寄せるために,まず施設を作ったとのことです。

とてもこぎれいな施設ですが,あまりにもいかにもインバウンド向けな施設すぎて,逆にどこにでもありそうな違和感を感じました。
また,あまり大きいわけでもない企業が建てるには立派すぎていて,おそらく何かしらの行政からの交付金などを使って建てたようでした。

消費者が欲しいものを売るマーケットインという考え方と,自分が売りたいものを売るプロダクトアウトという考え方がありますが,この地域にインバウンド客が訪問したいニーズが全く見えず,「こんなにいい施設を作ればだれか来るはずだ」というプロダクトアウトの考え方で作られたもののようです。

 

今後この立派な建物の建設費を賄えるほどの利益をこの施設が稼ぐ未来が全く見えず,何かの税対策で建てたのだろうかと疑いたくなるほどでした。

 

 

【道の駅とインバウンド施設との共通点】
出張の帰りに道の駅にも立ちよりましたが,結局,インバウンド向け施設も,道の駅と同じ,全国に均一に立てられるハコモノに過ぎないのではないかと思いました。

 

地域を活性化させようと,どの町にもあるからわが町にと建てた道の駅は飽和状態で,たいていは似たり寄ったりとなり個性を失ってハコモノの維持費だけがかさんでいます。

 

付加価値の少ない野菜などを売るには,道の駅は施設としてあまりにも立派すぎ,維持費ばかりがかかります。

 

 

近年地方創生の交付金で各地に立っているインバウンド宿泊施設についても,同じことになっているようです。

 

道の駅のデザインが似ているように,インバウンド向け宿泊施設もなんとなく似たデザイン・コンセプトがあり,それが全国各地にできているため,逆にインバウンドらしい施設であればあるほど,没個性的となって競争力を失ってしまいます。

 

 

作られる施設のデザインだけ洗練されていっても,何の見込みもないまま,右に倣えでまずシンボルとなるハコモノをつくっておけばなんとかなるという発想は,ずっと変わっていないのだなと思います。

 

 

【まとめ 需要もないまま立派なインバウンド施設をつくってはいけない】
何もないからインバウンド客がいないのか,インバウンド客が来ないから何も作らないのか。

 

卵が先か鶏が先かの問題のようです。
前者の考えでまず先行投資するのはよいのですが,いきなりハコモノとなる施設をつくってしまうのは,リスクが高すぎます。
地方創生などの行政の交付金が入っていると,民間も自分の手持ちのお金では行わない投資を行ってしまいます。

 

 

インバウンド関係の施設のスタイリッシュなデザインに惑わされて,なにも変わらない地方創生のハコモノ問題を見失わないようにしたいものです。

 

それでは、スーパー公務員によろしく!