『ライク・ア・ローリング公務員 まち思う 故に我あり』感想① 公務員版下町ロケット! 単純に福野さんという面白い人の半生記として痛快です。

みなさん、こんにちは!

『ライク・ア・ローリング公務員 まち思う 故に我あり』福野博昭(木楽社)を読みました。

 

 

面白い本だったので、数回に分けてレビューします。

この前、公務員のお仕事本はモチベーションが上がる、という話や、飲み会の代わりに先輩の話を聞くようなもの、という話を書きましたが、まさにそういう本です。

 

 

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まず、赤と青の迫力ある文字のジャケットと、「ローリング公務員」というインパクトがいいです。

おもわず手に取ってしまいます。

これは筆者の福野さんが仕事で関わったデザイナーさんが作ったとのことで納得。

しっかりとジャケットとタイトルで「つかみ」に成功していますが、この筆者で奈良県の職員だった福野さん自体が人の心をつかむのがとびきり上手い人だった、というのが肝です。

県税の事務所に始まり、公園事務所、最終的には奈良の奥大和をブランディングして、民家のリノベーションやシェアオフィスをつくったりと、ただの観光などにとどまらない地域の活性化を行っていくいう福野さんの公務員人生をなぞる形で展開していきますが、どんどん意見をいって、みんなを巻き込んで、問題を解決していく姿に圧倒されます。

福野さんがドラマの主人公のように痛快なので、読み物として単純に面白いです。

若い人には参考になるし、県職員版下町ロケットのような感じなので年配の公務員の方々にもおすすめです。

公務員であろうとなかろうと読んで損はないです。

全編が関西弁で福野さんが語りかける口調のため、スラスラ読めます。

そういうところも含めて、非常にうまく作られている本ですが、福野さん自体「おもしろそうだな」ということを仕掛けるのがうまい。

いまでは当たり前になったとりくみを、早い段階で気付いて手をつけていて、弘法大使のトレイルなど、私でも、「あ、あれこの人がはじめたのか」というような取り組みが多くて驚かされました。

いろいろなことから気付きを得て、「これは絶対にいいこと」と信念を固めて、関係者を説得して次々といろいろなことを仕掛けて地域を変えていきます。

ご本人は、自分は

ゼロから1をつくる人でゼロから10とか100をつくるくらいでやる

といっていますが、本当にそういうタイプの方です。

私なんかは、読んでいて「こんなに率直に意見を言って、皆を巻き込んでなんて、自分にはできないな」と思ってしまいがちですが、卑屈になったりしらけたりせずに、こういう人もいるのか、という気持ちで、ほんとにドラマでも見るつもりで読んでいいかと思います。

アップルの創業者のスティーブ・ジョブスさんが文字通りカリスマだったけれども、次のティム・クックさんが経営者として優秀だったこともあって今のアップルがあるという話をどこかでよんだことがありますが、福野さんのように0から1や10を作る人と、そのあとそれを維持、展開する人と、どっちも必要です。

私のような話べたな人も、

自分のことを話しづらいって人は、一回ちょっとずつやってみたらええねん

と決して無理強いではないアドバイスもあります。

とにかく、かなり元気をもらえる本だと思います。

福野さんという非常に面白い人がたまたま公務員をやってくれてその半世記として十分面白いですが、公務員のお仕事本としても面白いので、それは次回記事で書きます。

それでは、スーパー公務員によろしく!