『ライク・ア・ローリング公務員 まち思う 故に我あり』感想④ ~技術としての人づきあい~地方振興系の仕事では人との付き合いは避けられない

みなさん、こんにちは!

引き続き、『ライク・ア・ローリング公務員 まち思う 故に我あり』福野博昭(木楽社)の紹介を続けます。

 

 


第4章が 仕事はこうして「おもしろく」できる と題して、元奈良県職員の福野さんの仕事論になっていますが、その中に、「信頼できる「友達」と仕事する」という章があります。

県の地域振興や観光系の仕事はどうしても委託事業者に任せていくことになりますが、そうした委託事業者と仲良くやっていこうという話がされています。

これに限らず、全編をとおして、「昔関わった委託事業者の人に聞いたら」や「知り合いに聞いて」といった話がたくさんでてきて、とにかく福野さんが築いた人脈を活かして仕事をしているのが分かります。

一言でいうと、仕事、仕事以外に限らず、人を大事にしていらっしゃることが分かります。

こうなると、私のように人付き合いな下手な人間は、「そんなことは分かっています。でもできないんです。それは自分がどう思われるかばかり気にして人に関心を持って関わることができないことが原因だということも十分分かっています。でもできないんです。」
ということで非常に暗い気持ちになってきます。

これ以降自分に対する戒めにもなりますが、それでも、特に地域振興系の部署に来たのならば、ある程度ひとと繋がりを保つように、1つの技術として努力はしたほうがいいな、と思います。

人づきあいが苦手な中、人を好きになれ、という精神論ではなくて、1つの姿勢として、そうした方がいいということです。

新聞で情報を取るようにした方がいい、というのと同じようなレベルでのドライな話です。

ヒカルの碁で伊角さんという繊細な棋士が、海外で修行に行って感情はコントロールできる技術であると気付くというシーンがあります。

 

 

それと同じように人づきあいが苦手な人も、仕事関係の人づきあいはある程度技術と割り切っていいのかもしれません。

福野さんの話を見ていても分かるように、地域振興系の部署では、人との付き合いは絶対にさけられないものです。

それを避けたいのであれば、人との付き合いが発生しにくい、管理系の仕事を希望していくしかない、ということになります。

ただ、公務員の人事は思ったとおりにいかない部分もあるので、人との付き合いが発生する部署になった場合は、やっぱり腹を決めるしかないかと思います。

とはいっても、ということはありますが、私も含め、人づきあいが苦手な人はうまくなろうとしてもできないものなので、まず人の名前を覚えるようにする、現場に行くようにするといった、心理面ではなく行動でやっていくしかないかなと思います。


これまで4回にわたって書いてきましたが、福野さんのやり方を真似しよう、ということではなくて、「自分はどうかな」ということで、いろいろ気付きがあって面白い本だと思います。

それでは、スーパー公務員によろしく!