あなたの仕事はどっち?公務員の配分型の仕事とそうじゃない仕事

みなさん,こんにちは!
2021年12月7日日経新聞「ニッポンの統治」という連載に「官僚にキャリア展望を」として,米国ライシャワー東アジア研究センター所長のインタビューが載っていました。

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その中で,面白かったのは,日本の官僚制度のもともとの機能についての話です。
以下,引用です。

「日本は,第二次世界大戦後,早期の経済再生に向けて,傾斜配分方式を採用した。当時は戦後復興にどの産業,セクターが重要なのかという目標が明確だった。乏しい資金や人材をどう振り分けるかが需要で,官僚機構が大きな役割を果たした。近年はそのような目標が必ずしもはっきりしなくなった」

もともとの官僚機構の役割は,経済が右肩上がりの中で,適切に資源とお金を分配することだったんですね。

それこそ「お上」で,「それはこっちにやって,これはあっちにやって」と上から指示していればよかった。

それが経済が停滞する中,人口減少という話になって,それこそいわゆる「スーパー公務員」のように,公務員が自ら地域にしかけを作っていくことが求められるようになってきました。

こういった公務員に求められる役割の変化があるにも関わらずいまだに昔の上から差配型の仕事をしている人,多くないですか?

とくに,県庁に多くないでしょうか。

衛生関係,保健福祉関係であればこういった「差配」というか「配分」が仕事となるのは仕方がないと思います。

それこそ,社会保障関係のお金を各所への配分がそれこそ戦後の産業のお金の配分並みに膨大です。

今でもある程度従来型の「配分」が公務員の仕事として必要とされている分野かと思います。

一方で,地域振興・観光・経済関係の部署の公務員には単なる「配分」は求められていません。

しかし,実際のところ,これらの部署の職員でも,現場に出ずに,イベントやプロモーションの委託の発注と次年度の予算確保だけを行っている,「配分」部署と同じ仕事しかしていない方が多いのではないでしょうか。

そうではなくて,その委託も地域を動かす一つの手段として,実際に現場に出て何かを動かしていくことが大事です。

それなのに,地域振興系の部署でもシャーロックホームズ型というか,所属の事業費を振り分けて委託の発注をすることが仕事だというのは,古い公務員の形から抜けきっていないといえるでしょう。

私自身,中で作業する方が正直好きですが,やっぱり地域振興や観光といった分野に行ったら席にいるだけではだめだと覚悟は決めないといけないだろうなと思います。

たまには歴史から今の状態をふりかえってみるのも大事ですね。

それでは,スーパー公務員によろしく!