移住を決める決定的要因は何?

 

みなさん,こんにちは!
2021年12月7日の日経新聞に,「地域のチカラ 街のイノベーション 長野県佐久市 移住検討者チャットで支援」という記事がありました。

 

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・長野県佐久市が移住者向けに移住検討者が市民や市役所と交流できるビジネスチャット「リモート市役所」を設けた。
・移住希望者や市民など1400人が登録
・投稿が途切れないよう絵文字などを使って話しやすい雰囲気をつくっている

という記事でした。

私も実家に近いもののこれまで住んだことのない町に移住した身としては,こういうものがあると大変ありがたいですね。
移住した後でもこどもの小学校の学区が変更可能なのかなど,ちょっとしたことが気になるので聞けると大変良いです。

また,こうしたサービスはジモティーなどもありますが,あちらは管理する人はおらずそれこそ生の情報が得られるかも知れませんが,リテラシーを保つのが難しい分,自治体がやっていると不適切な投稿などは消したりできるでしょうし,使う側としては安心ですね。とはいえ,変なことを各人は絶対にいるので管理する担当の方は大変でしょうが。

こうした移住関係の記事があると,そもそもどんなところなのか気になって調べます。この取組を行っている佐久市は,人口9万人程度の中規模の市のようです。また,長野県なので,新幹線で首都圏にもアクセスがありますね。また,自然も豊かなところのようです。
佐久市も移住ターゲットをITエンジニアやデザイナーに絞っているとのことで,やはり移住で呼び込むのは所構わずリモートで働ける方々ということになるのは変わらないようです。

ひとつ面白かったのは,チャットの中で,争議には30分前に集まる「佐久時間」について賛否両論となって盛り上がったということです。交流サイトということで,これが移住に当たっての知っておくべき事項ということで取り上げられたのかはわかりませんが,個人的には,「さすがにそんなことで移住するかどうかの考えは変わらないだろう」と思いました。

よく移住関係の雑誌などをみると,「その土地の慣習を知ろう」などと都会の方々に警告を発する感じがありますが,正直その当たりは住むと決めたら押さえておけばいいことで,毎日の生活に関わるよっぽど突飛な慣習でなければそれがあったから移住するとか移住しないとか,そういう話にはならないはずです。

この議論しかり,自治体の移住政策は,新築マンションの設備のPRのように「A,B,CもDもありますよ,すばらしいです」と機能というか,客観的な条件をPRすることが大事思っている場合が多いようです。

一方で,移住する人は親戚がその地域にいてなんとなくその土地を知っているとか,なんとなくその地域が好きとか,個人的・内的な要因で移住を決めるのであって,何かの機能を備えたから単純に人が移り住んでくるものではないかと思います。

確かマンション購入関係の本で,マンションを買うときに,食洗機が最新とか,お風呂が最新とか,そういった機能は無視しなければならない,なぜなら機能で選んだマンションはもっと新しいマンションに機能で負けるから,という話がありました。

移住にしても同じで,各種優遇制度など,こまごまとしたアピールポイントはいろいろ考えられますが,自治体が横並びで政策をまねする中,何かこのオプションがあったから,ということはないし,それで選ぶような人はより条件の良い自治体ができればすぐ移り住んでしまうでしょう。

結局のところ,移住関係の定石があるとすれば,移住検討者の検討リストの一つに加えてもらうこと,知ってもらうことくらいしかなく,その意味でも気軽に聞けるというこのチャットの取組はいいのかもしれませんね。

それでは,スーパー公務員によろしく!