ボストン市庁舎 感想 公務員必見!年休を取ってでも見る価値あり!

 

みなさん、こんにちは!
先日、映画ボストン市庁舎を見てきました。

ボストン市庁舎 - 劇場情報

 

4時間越えの大作ドキュメンタリー映画です。
非常に面白いので年休をとってでも見る価値があります。
また、これから公開の劇場もたくさんあるようなので、年末年始の休みにゆったり見に行けたら最高ですね。

すごく手間がかかる、だけど自分たちで決めていく民主主義の姿そのものが映画になっているといっていいかもしれません。

ボストン市の活動に密着し、駐車禁止の取り締まりから、ホームレス対策、女性活躍、雇用促進、退役軍人のケアなど、本当にさまざまな部署の活動を映します。

時代はトランプ政権の時代ですが、ボストンは民主党寄りです。

 

ボストンの市長はマーティ・ウォルシュさんという方です。
映画の中で何度もスピーチの場面が出てくるのですが、とにかく市民に寄り添ってくれるいいおじさんだなというのが伝わってきます。
この方、調べてみると今はバイデン政権の労働長官になっているんですね。
また、現ボストン市長はアジア系女性ということで、ほんとに多様性を重んじる市になっているようです。

さて、ボストンの行政の進め方として、とにかく、徹底的に市民の意見を聞きます。

いわゆるリベラルで、有色人種や女性。貧困層の声をとにかく熱心に聞いて施策を進めていきます。
マイノリティーを排除せず、多様性が大事という立場を徹底します。

繰り返されるのが、市民のために仕事をしている、ということ。
行政が、市民に対して、「あなたたちはこういう権利があるので、もっとそれを利用していってくれ」と積極的に呼びかけるんですね

大変印象的な場面があって、市長のウォルシュさんが貧困層の方々を集めた集会でこんな話をします。

アイルランド人は昔は大変差別されていた(ウォルシュさんもアイルランド系)
しかし、政治に参加して、勢力をつくって、地位を高めていった。
だからあなた方も声を上げて市政に参加していくことで、自分たちの意見が通るようにしていくことができる

ボストン市民も非常によく討論ができるので市民を集めた集会ではいろいろな主張が飛び交ってまったくまとまらない集会もでてきます。
そうした場合でも、「次回また話し合いましょう」と話し合いを続け、行政は徹底的な説明を続けます。

これを見ていて思ったのは、行政の仕事の一番の基本は、市民への徹底的な説明だということです。
たしか、アカウンタブルという言葉が何度も出てきました。
全ての住民に対して、市はとにかく説明を尽くします。そうすることで、住民も十分な情報に基づいて自分で考えることができます。

たしかに、ボストンと日本では、全く住民の質が異なり、われわれ公務員は「日本では市民意識がそもそも低すぎる」ことを言い訳に「説明してもしょうがない」と開き直ることもできます。
でもそれは本来公務員がやるべきことではないな、と思わされました。

われわれ公務員はどちらかというと、市民の意見をできるだけ聞かないで施策を進めたいものです。
たとえば、自分が担当の新しい計画案への市民の意見などはできるだけ来てほしくない。
しかしこれは、早くその計画を作ってしまおうという作り手側の発想であって、本来、すこしそれで作業が増えても、市民の声が反映されることは望ましいことです。
「市民の意見をとりいれて、計画などが進まない」と考えてしまいがちですが、そうした面倒なプロセスを丁寧に行うこと自体が公務員の仕事そのものと言えるかもしれません。

私がドキュメンタリー映画大好きというのもあるのですが、公務員の方なら見れば何かしら思うところはあると思います。


それでは、スーパー公務員によろしく!