『もしわたしが「株式会社流山市」の人事部長だったら』感想③ 都会にはなくて田舎にある唯一のもの

みなさん、こんにちは!
『もしわたしが「株式会社流山市」の人事部長だったら』の感想続きです。

今回は、都会にはなくて、地方にあるものは何か、という話です。

さて、この本の作者手塚さんの会社WaCreationが運営するコミュニティースペースmachiminは流山市内外の人が「好き」なことをまちづくりに活かしてもらおうと、ひととひと、ひとと地域を結び付けていきます。
そうすると、「自分のこんな特技が何の役に立つのか」と思っていた人たちが、それを地域に還元し、地域の中で居場所を得ていきます。

日経新聞の特集記事で「令和のロスジェネ3 さよなら東京」という記事が思い起こされました。
コロナでオンライン授業が続く中、地域に関心を持つ若者たちが増えているそうです。
意外と地元もいいかもと見直し、東京での就職から地元への就職に切り替えた学生。
また、宮崎県日南市(人口4万9千人)の地元メディアが地域体験プログラムを企画し、大都市の大学生14名ほどが参加し、地域の地元企業でのインターンで充実した体験をしているとのことです。

流山市の自分のまちづくりに関わってみたいけれど一歩踏み出せない市民しかり、都会の大学生しかり、世の中には結構居場所を探している人がいるものだな、と感じました。
競争の激しい都会など、今の場所では何者でもないけれど、地方にはその人の活躍の場がしっかりあるというケースは結構あるのかもしれません。
この本の人材マネジメントをまちづくりに活かす視点からすると、日本全体で、東京などの大都市圏に人材が過多に集中し、本来能力のある人たちが生きがいを感じられないというとてももったいない状況。
その方たちが地方に戻ってくれば、人的資源活用の観点からも最適化するし、当人たちも自分の居場所が見つけられる。

本来、地方創生はこれを目指してるんでしょうね。
若者を中心に一定期間地域おこし協力隊として地域に移住し働いてもらう取り組みも同じ狙いです。
財源の問題などもありますが、とにかく一極集中を是正するのは個人的には大いに結構だと思います。


田舎には何もない、などといいますが、場合によってはそれぞれが地域で担う役割だけはある、と言えるかもしれません。


それをmachiminの参加者のように自分の居場所と肯定的に捉えられればしめたものです。

 

ただ、流山市などは都内も近いのでいいのですが、他の地方はやはり最終的には移住しようにも教育レベルが問題ということにはなってくるので、きれいごとでうまくいかないかと思います。
これはまたあとで整理して書きたいと思います。

 

とはいえ、都会で何の生きがいもないなと思うのなら地方に来ると自分の存在感の濃度はぐっと上がることは確実です。
鶏口牛後というと語弊があるかもしれませんが、何か誰かに必要とされたいなと悩む方は田舎に来て地域の活動に参加するのもありかもしれません。

(あまり閉鎖的な地域だと必要とされすぎて困るかもしれませんが。)

 

私自身県庁所在地に住んでいた時よりも、田舎の地方都市に家を買ってはじめは不安でしたが、今は地に足がついて、安定してきた感覚で地域のために何かしたいな、という気持ちも起こってきています。

 

ともかく、田舎暮らしも悲観するばかりではなく、いい部分もみて楽しくやっていきたいものですし、都会暮らしに圧倒的に劣るというのではなく、一長一短くらいで考えていける時代になってきたと思いたいです。

 

それでは、スーパー公務員によろしく!