ボストン市庁舎感想④ 公務員の方はプロジェクト的発想に捉われてませんか?「仕事が進まない」、でも実はきちんと「仕事」をしているのかも

みなさん、こんにちは!

映画、ボストン市庁舎の感想続きです。


民主主義とは?ということを、市民の意見を聞くボストン市の仕事の様子を淡々と映しながら描く映画ですが、公務員としての在り方についてもいろいろ考えさせられます。

 

この映画をみていて、「仕事が進む」ということに対する考え方が変わりました。
関係者との調整が難航したりすると、一般的に「仕事が進まない」ということになります。
しかし、公務員の仕事に限っては、それも含めて「仕事が進んでいる」と考えていいのかもしれません。

例えば、何かの計画の担当者だったとします。
「仕事の完成」という面からは、「今年度中に計画を完成させる」ということになります。
単純に仕事を期限までに完成させたければ、できるだけ反対意見などなく、計画ができてしまうようにことを進めたいものです。
一方で、手続き的には市民への説明会を開いたり、審議会の委員の話を聞いたり、パブリックコメントを実施などを経る必要があります。
その中で、いろいろな意見が出ると、新たに調整したり、軌道修正が必要になります。

こういうときに、担当者としては、「ああ、ぜんぜん仕事が進まないなぁ」と思うことになります。

私もそう思っていましたし。
また、もしこれが民間のプロジェクトなどであったら、効率重視となるところもあるかと思うので、効率が悪い仕事の進め方になったな、という評価になってもしかたがありません。
一方で、公務員の仕事の場合、とにかく仕事の完成を目指すのではなく、面倒でも住民などの意見を取り入れ、調整していく、それ自体が仕事そのものである、といっていいのではないでしょうか。
ボストン市庁舎で描かれたのは、そういった地道な意見のすり合わせの作業でした。

公務員の仕事は非効率とよく非難されるので、民間にならえ、ということで、プロジェクト的発想になって、この仕事を完成させる、と考えると、調整といったプロセスは邪魔なものでしかないように見えてきます。
しかし、市民からの意見を聞く、調整するといったことこそが、行政に期待された役割だと思います。
そう考えると、実際担当する側としては非常に面倒であるそういった調整業務も、腐ってしまわずに大事な仕事だと思ってできるのかな、などど思います。

いい映画は本当に学びが多いですね。
まだの方は是非ご覧ください。

それでは、スーパー公務員によろしく!

 

 

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