ボストン市庁舎 感想 ② 4時間超の長尺の意味とは?~退役軍人の語りの場面も大きな見所です~

みなさん、こんにちは!
映画ボストン市庁舎を、この前は公務員として、という視点から紹介しました。

しかしこの映画、とにかく興味深いトピックが多いです。

その中でも、特に印象的なのが、退役軍人の記念日のセレモニーのシーン。
イラクアフガニスタンベトナム戦などを生き抜いた退役軍人が、セレモニーで自らの体験を語るシーンがあるのですが、思わず引き込まれます。
全編4時間超の映画ですが、その中でもかなり長尺のシーンだったと思います。
体感でこの退役軍人のシーンが20~30分間はあったような。

このシーンに至るまでの導入もよいです。
ボストンが自治を獲得するまでの歴史的背景を描いた絵画がテンポよく紹介されてからの退役軍人のセレモニーなので、民主主義が戦って勝ち取ってきたことが良くわかるようになっています。
そして退役軍人の方の話しが始まるのですが、ちょっとした短編小説のようなエピソードがあります。

ちなみに、余談ですが同じ監督の「ニューヨーク公共図書館」という映画も非常に良いです。
これも、民主主義の根幹である図書館や教育のために、スタッフが並々ならぬ面倒なことをしている様子を淡々と撮影しています。
今回のボストン市庁舎の中にも、市の歴史的資料を保管するセンターの活動がでてくるのですが、市民に情報にアクセスしやすくなるように淡々と仕事をするところは公共図書館でも共通です。

前回の記事と同じになりますが、この映画を見ると民主主義というのは本質的に面倒で、手間のかかるシステムなのだな、ということが分かります。

裏を返せば、民主主義をちゃんと続けたいなら市民として積極的に関わる必要があるし、行政も手間をかけて住民の意見をきいたり、情報を開示したり、残したり、そういうことをしないといけませんよ、ということが事実として見せられている感じです。

4時間越えの上映時間でボストン市の市民との対話や淡々とした活動をみせられて手間がかかって当たり前という民主主義の本質を体験させられるアトラクションだといっていいかもしれません。

ぜひ、年末年始におすすめです。

それでは、スーパー公務員によろしく!