都市部で仕事をしながらわざわざ田舎に住むのが不安な理由

みなさん、こんにちは。

f:id:po-man:20211117101602p:plain

 

県庁所在地(ここでは政令市をイメージしてします)に住めるのは,地方の中でもエリートである。

 

県庁所在地から離れた中途半端な地方都市に住んでいると,そう言ってしまって過言ではないと感じます。

 

日本国憲法では,居住地選択の自由がうたわれていますが,どこに住むかは自分がどこでお金を稼いでいるかということと関係無しに考えられません。

居住地に関係なくお金を得る手段を持っている人は,住む場所を選ばず,都市部にも,自然豊かなど田舎にも住めます。

しかし,その他大多数の労働者は職場の近くに居住せざるをえません。

 

田舎暮らしに興味のある都市部の労働者は,田舎に越してきて生活するためには,田舎で生業を得る必要があります。

同じく,田舎暮らしの労働者が都市部に暮らすためには,都市部で仕事を得なければなりません。

 

 

多くの場合,これは難しいです。

田舎には,都市部からの移住者の生業を支える職がありません。

また,都市部には,田舎からの労働者のための仕事がありません。

あったとしても,より労働力として廉価な外国人労働者を活用する流れとなっています。

 

地方への都市部からの移住促進のためには,現実的には地方でも都市部と同じく仕事ができる,テレワーク可能な企業の労働者やフリーランスのIT人材を呼び込むのでなければ,地方に就業可能な仕事をつくらなければなりません。

 

また,逆に,田舎暮らしを脱出したい若者は,都市部でホワイトカラーの職を得ることができるような教育を受けなければなりません。

 

こう考えて自分が住む地域を見てみると,同じ地方の中でも,県庁所在地に住めるのはそこで職を得ることができるだけの一部の人たちだけで,それ以外の地域に住む人々は,今後も今の地域に住み続けるしかできないだろうと感じます。

 

各家庭の経済的レベル,あるいは教育レベルによって,居住地は決められてしまっているようです。

 

takeaway.hatenablog.jp

 


これはあくまで地方で暮らしている実感です。

 

人口減が進み,外国人材を受け入れるといっても足りない労働力を都市部が地方から吸い上げていく動きは今後あるでしょうが,それは都市での貧困層を増加させるだけで,都市で当たり前に生活できる水準の市民,いわば都市のエリートが増加することにはならないでしょう。

 

都市,地方に限らず,貧困層が増えていくのでしょうが,都市で貧困層が増えて地方が豊かになると言うことはなく,現在地方暮らしの人は都市で貧困層になるか,現在の地方で貧困層のままということになるかもしれません。

 

自分の子供に所得の高い職業に就いてもらいたいと考えるのであれば,都市に暮らせる者はいくらでも都市に暮らすべきと言えるでしょう。

 


例外的に地方に暮らせるのは,仕事の場所にとらわれず所得を確保でき,経済的な視点とは別に地方暮らしに魅力を見いだせる一部の本当のエリート層だけです。

 

田舎が衰退するしかない状況を考えると,県庁所在地に仕事をもつホワイトカラーがわざわざ地方に住むメリットはほぼ感じません。


同じ地方の中であっても,所得の高い層は県庁所在地に集まり,その他の地域には所得の低い層が残されて,この格差が固定されています。


仮に私のような県庁所在地に職を持つホワイトカラーが県庁所在地以外の地方に住むためには,「田舎暮らしでもいいか」と思える考えの変化か,あきらめのようなものがなければならないでしょう。


最大の要因は教育面への不安,田舎に暮らしていて自分の子供に(経済的に)豊かな未来があるのかという不安であると思いますが,どうでしょうか。

 

田舎に住んでいると都会と比べて機会が少ない,というこの実感こそが,格差が生じていることの一番の証拠かもしれません。

 

それでは、スーパー公務員によろしく!