地方移住,後悔しないために 地方創生で移住者のためのまちづくりができない理由

みなさん、こんにちは。
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2020年12月3日 日本経済新聞「経済教室 私見/卓見 地方移住,後悔しないために」という記事をきら星代表の伊藤綾さんという方が寄稿されていました。

記事概要
湯沢市で移住相談を受けているが,仕事や移住に関する問い合わせが多く,暮らす環境についての問い合わせは少ない。
・行政は移住手当金の支給などより移住者の暮らしをどう良くするかということにもっと力を入れるべき。
・暮らしやすいまちづくりが進めばシビックプライドが回復する。

自分も県庁所在地から地方の賃貸に転居し,地方で家を購入するか迷っている身ですが,その地方の生活環境になじむことができるかは非常に重要です。
テレワークでの地方移住が進んでいると言われていますが,もし本当であれば,これまで地方移住の最大のネックであった「地方には仕事が無い」という問題点を解消してしまっているので,あとは暮らしやすい環境かどうかだけが焦点となります。

この暮らしやすさは記事でもあげられているように,スーパーや病院の近さ,産婦人科などの子育て環境などがあります。
しかし,それ以上に重要になってくるのは,もっと大きな「地方の生活様式」に対応できるかということです。
これは一回住んでみないことには絶対にわからないものかと思います。
私自身,地方でまず賃貸で暮らしてみてやっとその地方のことがわかってきました。


一例が,車社会です。
地方では歩行者のことは想定されずにまちづくりされていると感じます。
都市部ではきれいな歩道があるべきスペースに天板の無い大きな側溝がぽっかり口を開けています。
街頭もまばらです。

例えば,スーパーが近くだといっても,そのスーパーまでベビーカーを引いていくのが不可能ではないにしろ,ちょっと危険だなと感じるような状況を想像してもらえばいいでしょうか。この,ちょっと不便という小さいストレスが積み重なると,わざわざ田舎に住む必要があるのかということになってしまいます。

歩行者優先のまちづくりのように,都会からの移住者いアピールするために必要なポイントというのは確実にあります。
しかし,問題なのは,当の地方に住む人々は,今のままで特に不便は感じていないということです。
この例で言えば,みな車で生活しているため,歩行者にやさしいまちづくりをしようという問題提起を行う住民はいません。

このため,住民不在で行政だけが,国から言われた地方創生での移住者増の施策のアイデア出しに汗をかいているという苦しい状況になっています。

結局の所,移住者にも配慮したまちづくりをしていくのか,今の住民だけよければよいまちづくりをして人口減して行政サービスは縮小していってもよいのかについて,住民に対して意識が無く,なんとなく廃れていっている状況なのでしょう。

記事の中でシビックプライドという言葉がでてきますが,住民はこうした行政のまちづくりにも受け身であるため,はじめからプライドもなにもないのでしょう。
今後も,地方の中でも市民が成熟した政令市などが魅力的なまちづくりを行い,この「テレワークでの移住者」を獲得していく流れになって,他の地方はその恩恵を受けられないままになるかと思います。

それでは、スーパー公務員によろしく!