地方創生は喫緊の至上命題?

みなさん、こんにちは。

前回の記事に引き続き,地方創生事業のとらえ方について考えていきます。

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takeaway.hatenablog.jp

 

地方創生事業がそんなに大事な事業なのかということについてです。

このブログの主張としては,地方創生の論理にまどわされてはいけない,変な事業をつくってはいけない,それでも何かやらざるを得ないなら少しでも地域にお金が回るよううまく頭を使おうということです。

 

この主張を主に,地方創生を担当する現場職員に投げかけたいと思っております。

特に,若手職員は,まじめな職員であるほど,「この事業は地方創生だ」となると,地域のために何かしなければという正義感から,かえって無駄な事業をつくってしまう恐れがあると考えているからです。一歩引いて地方創生をみてみると,単にこれまで繰り返されてきた地方へのばらまきの一種と捉えられるのではないでしょうか。

地方創生事業に関しては,地方創生の論理を真に受けてがむしゃらに取り組むよりも,地方へのばらまきの一種という本質を捉え,地域に本当に必要な課題解決の財源にしれっとあててしまうしたたかさが必要だと思うからです。

 

実際に私も内部の法規系の仕事から,地方創生交付金を活用した事業の担当となり,交付金の要綱などを読み,交付金が求める成功事例の像を一体どうやったら実現できるのか相当悩まされました。やはり,自分の中にも,漠然と「地方創生」の取組を行うことが,県の発展に必要不可欠なのでなんとかがんばってやろうという意気込みがあったためと思います。

 

しかし,一歩引いて考えてみると,国には,どうやって地方を活性化させるかについて,無策であると分かります。地方に交付金をばらまくに当たって,KPIという目標値の設定など,最もらしいことを自治体にさせていますが,それをアリバイにして,地方にお金をばらまいているだけのように感じます。

 

これは過去に「ふるさと創生事業」というばらまきが行われていたことなどを知っていると,非常に納得できる考え方かと思いますが,なにぶん,私自身を始め,若手の職員はこういった歴史が分からず,地方創生が喫緊の唯一の至上命題のように本気で考えて疑わないということになってしまいます。私も不勉強で,地方創生関係の書籍から,ふるさと創生事業の経緯を知りました。

 

「地方創生は所詮ばらまきなどと冷めた目で見ずに,本気で地域活性に取り組んでみろ!」というご意見もあるかと思いますが,地方創生推進交付金でもらえるお金での地域活性化は,どの地域でも実現するものでは無く,実施自治体の財源も半分使われてしまいます。その意味からも,地方創生に対して冷めた目をもつということは,必要であると思います。

 

それでは、スーパー公務員によろしく!