地方創生事業にPR系の事業が多いのはなぜ?

みなさん、こんにちは。

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 地方創生とはいったいなんでしょうか?

 

某県職員として本庁で実務担当として地方創生関係の事業の予算要求をしていると、常にもやもやこの問題でもやもやさせられます。

 

地方創生事業の中には、「古民家をつかって○○町をPR」や、「○○県の特産品を海外にPR」など、PR系の事業が非常に多く企画されているというのが現状です。

 

しかし、このPR系の事業は、いわば「やりっぱなし」の事業が多いことが特徴です。

これらの事業の計画をよくよくみてみると、PRのためのイベント実施自体が目的となっており、その結果どの程度地域にお金が落ちるのかといった視点が欠落してしまっているのが現状です。

 

市民の皆様は、お住まいの自治体のこういった事業によくよく目を通される機会は少ないかと思いますが、おそらく、一度でも市民の皆様の常識的な目にさらされれば、「こんな具体性のない事業にこんなにお金をつかっていたのか!」というように驚かれる事業がばかりではないでしょうか。

 

地方創生事業は成功例ばかりがもてはやされていますが、多くの自治体ではアイデアがなく、成功事例をなぞった事業を大都市のコンサル会社等に丸投げしているのが現状です。

 

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この点は、専門家の方々からすでに批判されていますが、事業担当としてもう少し実務的な観点から申しますと、この地方創生事業のお金の出所となる地方創生交付金をもらえる条件に従っていくと、このような企画系の事業を実施するしかないつくりになっているということがあります。

 

たとえば、私の自治体(県)では世界への販路開拓として、どこかの国のスーパーで一時的なPRイベントの実施に2000万円近い予算を当てていますが、こういった事業で県産品の販売先開拓は難しく、効果がほぼ見えません。

 

そのようなことであれば、県内の輸出を試行する事業者に補助金として援助した方がまだ地域にお金が回り、ましであるという考え方もあるかと思いますが、地方創生交付金ではこのようなただの補助はできません。

 

端的には、「地方でお金が稼げるような何か仕掛けを作る」ようなことにしかお金が使えないようになっています。

しかしこれには非常にアイデアが必要で、一方で地方創生交付金要求のためになにかしらの体裁は整えなくてはならず、安易な前例踏襲の一過性のイベントにならざるを得ないというのが現状ではないかと思います。

 

しかもこの地方創生交付金は100パーセント国負担ではなく、その事業費の2分の1は地方の自治体自らの予算を充てなければなりません。先ほどの私の自治体の例では、2000万円の事業の2分の1、つまり1000万円は県の予算です。

 

地方創生交付金は2分の1が国のお金なので、県の財政当局でも100パーセント県のお金の事業よりも事業がとおりやすいですが、結局箸にも棒にもかからない事業をし、さらにその担当者の人件費もかかってしまします。

 

少しおいしい話だからといって、みなすべからく地方創生事業に乗らなくてもいいのではないかと思ってしまいます。

 

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それでは、スーパー公務員によろしく!